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皮膚科の全身療法で使用する代表的な薬の対象疾患と注意点

アレルギーなどのお薬

副腎皮質ステロイド薬
ステロイドは「副腎皮質」と「糖質」に分けられますが、皮膚疾患に多く用いられるのは糖質ステロイドで、ステロイド薬の出現により、昔は致死的とされた多くの疾患が救命可能となりました。皮膚科で扱う疾患としては全身性エリテマトーデス(SLE)や皮膚筋炎などの膠原病や尋常性天疱瘡や類天疱瘡などの自己免疫性水疱症が代表的なものです。

全身性の副腎皮質ステロイド薬は、尋常性天疱瘡、類天疱瘡、自家感作性皮膚炎、重症アレルギー性接触皮膚炎、重症の薬疹、中毒性表皮壊死剥離症(TEN)、重症の日光皮膚炎に投与され、その有効性が認められています。また、高齢者に生じた帯状疱疹への早期投与が、神経痛の予防に効果を示します。

副腎皮質ステロイド薬の作用は、好中球の血管内皮への接着と遊走の減少、毛細血管の血流と透過性の減少、免疫複合体の基底膜通過の減少など、炎症と免疫反応のあらゆる側面を減少させます。

また、副腎皮質ステロイド薬の投与量と投与期間は、急性皮膚疾患では効果の得られる十分量を投与すれば短期間で修了するので、ほとんど問題ありません。しかし、慢性皮膚疾患に使用する場合には、副腎皮質の萎縮や全身性副作用(糖尿病や高血圧の誘発、骨粗鬆症など)に注意することが重要です。

抗ヒスタミン薬
ヒスタミンレセプターに競合的に作用することにより作用します。H1阻害薬とH2阻害薬の2タイプがありますが、皮膚科領域で用いられるのはH1阻害薬です。抗ヒスタミン薬は、遊離ヒスタミンにより引き起こされる毛細血管透過性亢進、浮腫、掻痒などの阻止を期待して、蕁麻疹や湿疹、皮膚炎群などに対して使用されます。

抗ヒスタミン薬の副作用には、鎮静、催眠、口の渇き、鼻粘膜の乾燥、胃腸障害、排尿障害、眼圧の上昇などがあります。その程度には個人差がありますが、頻度が高いのは催眠作用で、患者の職業によっては慎重な配慮が要求されます。また、前立腺肥大のある場合は、排尿障害の増強に注意する必要があります。

抗アレルギー薬
肥満細胞、好塩基球などからのケミカルメディエーターの生成・遊離を抑制します。抗ヒスタミン作用を有するもの(ケトチフェン、アゼラスチン、オキサトミドなど)と、抗ヒスタミン作用のないもの(クロモグリク酸ナトリウム、トラニラストなど)があり、前者の副作用は先述の抗ヒスタミン薬と共通します。

抗菌薬
原因菌と抗生物質感受性、年齢、重症度、合併症などから総合的に判断して、使用する薬剤(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系、塩酸バンコマイシンなど)を選択し、投与量、経路、回数を決定します。治療開始前に膿、血液、尿などを培養し、菌の感受性検査の結果により必要ならば薬剤の変更を行います。

抗真菌薬
グリセオフルビンは白癬菌感染に使用され、頭痛や光線過敏などの副作用があります。アムホテリシンBは全身性の真菌感染症に点滴静注で使用されますが、副作用が比較的強くなっています。経口ではわずかしか吸収されません。ミコナゾール(点滴静注)、フルコナゾール(点滴静注、内服)はカンジダ症、クリプトコッカス症などの治療に使用されます。イトラコナゾールは経口薬として皮膚糸状菌を含めて幅広い抗真菌スペクトルを有しています。テルビナフィン(外用、内福)も皮膚糸状菌、カンジダ症に有用です。

抗ウイルス薬
ウイルスのDNA合成を選択的に相害する抗ウイルス薬には、アデニンアラビノシド(AraA)、アシクロビル、塩酸バラシクロビルがあり、単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状ヘルペスウイルス感染症の治療に用いられます。AraAは注射薬と外用薬、アシクロビルは注射薬、内服薬、外用薬、塩酸バラシクロビルは内服薬があります。

ジアフェニルスルホン
本剤は元来ハンセン病の治療薬でしたが、好中球浸潤が主体を占める炎症性皮膚疾患(デューリング疱疹状皮膚炎、重症ざ瘡、持久性隆起性紅斑、血管炎など)に効果があることが知られ、広く使用されるようになりました。副作用には悪心、嘔吐、肝障害、腎障害、白血球減少などがあります。

非ステロイド性抗炎症薬
非ステロイド性抗炎症薬には従来からある解熱鎮痛薬のアセチルサリチル酸(商品名:アスピリン)をはじめ様々なものがあります。これらものはプロスタグランジンやロイコトリエンの産生を抑制する作用を持つものが多くなっています。

ビタミン薬
ビタミンAの中間代謝物であるビタミンA酸には上皮細胞の増殖、分化調節作用があります。抗角化作用の強いビタミンA酸関連物質(レチノイド)であるエトレチナートは遺伝性角化異常症、重症の乾癬に使用されます。骨発育障害、過骨形成などの副作用があるため、慎重に投与することが求められます。

免疫抑制薬
アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、シクロポリンAなどがあり、SLE、皮膚筋炎、尋常性天疱瘡、ベーチェット病などに使用されます。シクロポリンAはベーチェット病の眼病変、乾癬の治療に有用です。腎毒性があるので血清クレアチニン値、血圧の測定を定期的に行う必要があります。

 
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