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アレルギー性疾患や薬疹の診断に有用な血液検査と血清免疫学的検査

肝炎やHIVの皮膚症状も重要な手がかり

皮膚疾患の診断に有用な血液検査としては、一般的な血算(特に白血球分画での好酸球増加は、様々なアレルギー性疾患や薬疹の診断上重要な所見です)や血液生化学以外に、感染症検査も重要です。

感染症としては、梅毒以外に、C型肝炎ウイルスやHIVでは近年それらの感染に伴って様々な皮膚症状が報告されており、皮膚症状から診断にいたる機会も少なくないので、その重要性が増しています。

血清免疫学的検査としては、抗核抗体や補体、免疫グロブリンなどが一般的で、膠原病の診断に有用です。自己免疫性水疱症における免疫蛍光間接法は、患者血液中にある表皮細胞間橋や基底膜成分に対する抗体価を測定するものですが、現在ではELISA法による定量的測定が可能になっています。

免疫グロブリンのなかで、即時型アレルギー反応で重要な役割を果たすIgEですが、皮膚科ではアトピー性皮膚炎のアレルゲン検索に、RAST法(ダニ、ハウス出すと、スギなど対する陽性率が高い)による抗原特異的IgEの測定もよく行われます。

血液検体を用いるそのほかの特殊な検査としては、PCR法による菌の検出、DLST(薬剤リンパ球刺激試験)、HLA(ヒト白血球抗原)の検索などが挙げられます。

PCR法
DNA鎖の特定部分のみを複製し増幅する方法で、ごく微量のDNAでも検出が可能です。結核菌をはじめ、培養による菌の同定に時間がかかるものでは、PCR法を用いることにより迅速な診断、治療開始が可能になります。

DLST(薬剤リンパ球刺激試験)
抗原刺激によるリンパ球の幼若化現象を利用したもので、薬剤アレルギーのin vitroの検査法としれ用いられますが、偽陰性反応も多いので注意を要します。

HLA(ヒト白血球抗原)
臓器移植における適合の際にHLAの一致が問題となりますが、自己免疫疾患ではその疾患感受性との相関が知られています。

 
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