皮膚科の医師求人(常勤・非常勤)ガイド

皮膚病変にだけ気を取られず、背景に存在する全身疾患を念頭におくことが重要

患者さんはステロイドの副作用が不安

皮膚科は、他の診療科と比較して外用薬を駆使して治療を行うことが特徴のひとつとなっています。外用薬を使用する最大のメリットは、病変部に集中的に薬剤を作用させることができるという点にあります。いわゆるDDS(薬物発達システム)も皮膚科でも昔から実践してきたわけです。

しかし、皮膚病変だけでなく、背景に存在する全身疾患を常に念頭において治療にあたることが大切です。例えば褥瘡では、どんなに優れた外用薬を使用しても、患者の全身状態(活動性、貧血などの有無)を改善しないことには、病変を治癒させるのは簡単ではありません。どのような皮膚疾患であっても、全身的視野に立った治療方針の決定が重要となります。

副腎皮質ステロイド外用薬
@刺激性に弱く、湿潤した病巣でも乾燥面でも幅広く使用される「軟膏」、A刺激性があり、べたつぎがなく夏に好んで使用される「クリーム」、B主として被髪東部に使用される「ローション」、C短期間に広範囲に外用できる「スプレー」、DODTの簡便法として開発され、難治性の結節性病変や角化性病変が適応となる「テープ」…と5つの剤型があります。血管収縮能や二重盲検法の成績などを元に、薬効の強さによって「weak」から「strongest」の5段階に分類されるのが一般的です。

局所性の副作用としては、@細胞増殖抑制作用による皮膚萎縮、皮膚線条、ステロイド紫斑、毛細血管拡張、A免疫抑制作用による各種皮膚感染症などの増悪、Bホルモン作用による多毛、ステロイドざ瘡、Cその他:接触性皮膚炎、ステロイド緑内障などがあります。全身性副作用としては、単純塗擦でstrong以上のものを1日10〜60g外用すると、下垂体副腎皮質機能抑制などが起こりうるとされていますが、実際にはこの容量を数ヶ月以上にわたって使用することはありません。

副腎皮質ステロイド外用薬を処方する際のポイントは、まず症状や部位、患者の年齢に合わせて強さのランキングを決定することです。顔面、陰部、頭部は、他の部位に比べて局所副作用が出やすいので極力ランクの低いものを選びましょう。

抗菌薬
対象となる細菌に十分な抗菌力を示すとともに、皮膚感作性ができるだけ小さいものが理想です。

尿素
角質融解作用と尾tも似、角層に水分を含ませる作用があります。10〜20%で用いられます。

ビタミンD3
表皮の増殖抑制作用があり、乾癬の治療に外用で使用されるようになりました。

非ステロイド性抗炎症薬
副腎皮質ステロイド外用薬と比較して効力は弱く、接触性皮膚炎を起こしやすいとという欠点があります。関節炎部への塗擦や帯状疱疹などに対して使用しますが、掻痒性皮膚疾患に対しては一般に用いるべきではありません。

サリチル酸
角質融解作用があるので、サリチル酸ワセリン、サリチル酸アルコールとして、胼胝(べんち)や鶏眼(けいがん)などを除去する際に用いられます。抗真菌薬にしばしば配合し、その浸透を良くする作用があります。

イオウ
角質剥離作用があります。尋常性ざ瘡の治療にクンメルフェルド液として使用します。

免疫抑制薬
元来、移植免疫抑制薬として内服・注射で使用されていたタクロリムスの外用薬が、1999年から成人型アトピー性皮膚炎の治療薬として認可されました。タクロリムス外用薬(成人用)0.1%は、副腎皮質ステロイド外用薬のstrongランクに該当する抗炎症作用がありながら、皮膚萎縮作用がないため。顔面や頚部に好んで使用されますが、使用開始時の刺激感が強いため、中東異常の症状に対しては1週間程度副腎皮質ステロイド外用薬を使用して、スイッチするのが望ましいとされています。

尋常性ざ瘡治療薬
レチノイド様作用を持つ尋常性ざ瘡治療外用薬(アダパレン)が、日本でも2008年に認可されました。主成分は表皮細胞の核内レチノイン酸受容体に融合し、標的遺伝子の転写促進化を誘導することによってニキビを減少させます。

 
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